東海市で相続をお考えの方へ
私たちは複数の専門家が連携できる体制を整え、ワンストップで相続サービスをご提供させていただきます。相続でお悩みの方はご相談ください。
相続の注意事例について
注意事例としていくつかの事例を掲載しておりますので、相続をお考えの東海市の方はご一読いただき、参考にしていただければと思います。
お客様相談室があります
お客様に安心してご利用いただくことができるよう、お客様相談室を設置しています。また、アンケートも実施し、サービス向上に努めています。東海市で相続をお考えの方は当法人をご利用ください。
サイト内更新情報(Pick up)
2024年11月8日
遺産分割
遺産分割協議書の作成方法に関するQ&A
遺産分割協議書は、相続人全員で作成する必要があります。なぜなら、遺産分割協議自体が、相続人全員でしなければ法的に有効ではないからです。遺産分割協議書の作成方法・・・
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2024年10月17日
遺言
遺言の効力はいつから発生するのか
遺言の効力は、基本的に、遺言者が亡くなられた時(相続開始日)から発生します。そのため、例えば「全財産を長男に相続させる」といった内容が書かれている遺言であれば・・・
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2024年9月13日
遺留分
生前からできる遺留分対策
相続人の一部には、遺留分という権利が認められています。場合によっては、なるべく財産を相続させたくないという相続人がいるということもあるでしょう。そのような場合・・・
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2024年9月12日
遺産分割
遺産分割調停・審判の流れ
遺産分割協議によって分割内容が決まらない場合には、遺産分割調停か審判の手続きをすることになります。遺産分割調停は、裁判所で相続人が遺産分割の協議をする手続き・・・
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2024年8月5日
遺言
遺言の種類
遺言は、どの財産を、誰に、どのように相続させるのかについて意思表示するもので、書面に残すため遺言書を作成する必要があります。どのような方式で遺言書を作成するかについて・・・
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2024年7月18日
手続き
不動産の相続手続きについて
不動産は、亡くなった方の名義のままとしておくことはできないため、相続が発生した場合には、名義変更の手続きが必要です。登記がされている不動産であれば、法務局での・・・
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2024年6月28日
相続放棄
生前の相続放棄
生前の相続放棄についての相談を受けることは多くありますし、そのような要望が多いというのも事実でしょう。しかし、現在の民法では、生前の相続放棄に関する規定はないことから・・・
続きはこちら
更新情報を掲載
相続に関する情報を掲載しており、情報は随時更新しております。参考にしていただければと思います。
利便性の高い立地です
太田川駅から徒歩1分のところに事務所がありますので、来所もしていただきやすいかと思います。所在地についてはこちらをご覧ください。
相続について税理士に相談するタイミング
1 相続が始まる前に相談を
相続税は相続が始まってから発生するものですが、相続税については相続が始まる前に税理士に相談してください。
たしかに、相続税は、相続財産の内容や相続人の数によって変わるものですので、正確な数字は相続が開始したときにならないと分かりません。
しかし、現在の財産内容や相続人からおおよその相続税額を計算することは可能です。
そのため、考えている相続内容であれば、誰にいくらの相続税がかかりそうなのかを概算したうえで、本当にそのような相続がご本人の望むとおりのものとなっているのかを検討することが必要です。
たとえば、特定の相続人には不動産を相続させようと考えていたところ、預貯金などの金融資産を相続させていないのであれば、その相続人自身が相続税を支払うことができるのかを考えなければなりません。
もしもこれが難しい場合には、金融資産も相続させることとしたり、生命保険の受取人としたり、なんらかの手段を考えた方がよいでしょう。
相続が始まる前であれば、相続税を下げられるような対策をすることも可能です。
生前贈与や生命保険を活用したり、不動産を活用したりするなど、この対策方法はさまざまなものがあります。
このような試算や対策方法の提示は、税理士でなければ正確にすることが難しいでしょうから、相続税については、相続の開始前に税理士に相談すべきです。
2 なるべく早めに相談を
上記の相談のタイミングは、なるべく早い方が望ましいです。
なぜなら、相続税の試算をし、理想的な相続の内容が分かったとしても、その際に、対策をする人が認知症などで判断能力を喪っていた場合には、遺言書等を作成することができず、相続税対策をすることができないからです。
さらに、相続税を下げる対策をする場合にも、判断能力を喪っていれば、生前贈与などの法律行為ができず、対策をとることができません。
生前贈与をする際に、贈与税対策のため、何年かに分けて贈与するという方法がとられることもありますが、対策を進めているうちに判断能力を喪ってしまい、十分な対策ができなかったということもあるでしょうし、生前贈与をしても、すぐに亡くなってしまえば、場合によっては、贈与が相続財産に持ち戻されるということも生じてしまいます。
このようなことを考えると、税理士への相続税についての相談と対策は、なるべく早めにした方がよいということになります。
3 相続開始後の相談もお早めに
相続税の申告と納付が必要な場合には、相続の開始を知った日から10か月以内に、申告と納付が必要になります。
10か月というと、ある程度の余裕があるようにも思えますが、実は、そのようなこともありません。
というのも、相続税の申告においては、場合によっては、準備すべき書類がとても多くなってしまい、税理士から大量の書類の提供を求められるという場合もあるからです。
申告期限までに余裕がないことを理由に、税理士に対応してもらえないということもありえます。
そのため、相続開始後の相続税についての税理士への相談も早めにした方よいといえます。
他に、早めの相談が望ましいと言える理由として、相続税の申告期限までに遺産分割が決まっていることが望ましいですが、遺産分割の内容も相続税のことも考慮したうえで決める方がよいといえることがあります。
というのも、異なる遺産分割の内容であれば利用できる控除があったり、当事者が想定していた以上の相続税がかかることが判明したりした場合には、問題になりえるからです。
もちろん、それが判明した時点で、再度、相続人間での話し合いができればよいですが、それができないこともあるでしょうし、場合によっては、大きなトラブルの原因となることもあるでしょう。
そのため、遺産分割の内容を決める前に、税理士にも予め十分に相談をしておき、遺産分割をする方がスムーズに進められるということがいえます。
なお、亡くなった方が遺言書を作成されている場合には、遺言書の内容によっては遺産分割の話合いをすることも必要ない場合があるのですが、仮にそのような場合であっても、税理士に相談した方がよいです。
というのも、遺言書の内容が、相続税について十分に配慮がされておらず、そのままの内容での相続になった場合には、相続人にとっての不利益になることがあるからです。
そのような場合に、法律上は、相続人全員の合意によって、遺言書とは異なる内容の遺産分割協議をすることもできるとされていますし、相続税の申告期限までにこのような遺産分割協議が成立したのであれば、相続税上も問題ないとされています。
このようなこともありますので、申告・納付期限までに余裕があるとはいえ、税理士には早めに相談をすることをおすすめします。
相続を依頼する専門家を選ぶ際のポイント
1 取扱分野に応じた専門家を選ぶ
相続に関係する手続きを取り扱う専門家は、さまざまいますので、それぞれの取扱分野に応じた専門家を選ぶ必要があります。
まず、相続の手続きを取り扱う専門家には、弁護士がいます。
弁護士は、法律の専門家ですので、遺言書の作成や、相続手続き全般、遺産分割や遺留分侵害額請求など、法律に関わるあらゆる相続の案件に対応することができます。
ただし、分野によっては、以下の専門家の方が、それぞれの取扱分野について詳しいことが多いといえます。
例えば、相続に関わる弁護士以外の専門家として、税理士がいます。
税理士は税金の専門家ですので、相続税についての生前対策や相続税の申告については、税理士に依頼するべきです。
また、その他の専門家としては、司法書士がいます。
司法書士は不動産登記の専門家ですので、相続財産の中に不動産が含まれており、その名義変更が必要な場合には、司法書士に依頼するべきです。
しかしここで注意しなければならないのは、相続が紛争化してしまった場合、相続人の代理人になることができるのは弁護士のみだということです。
2 相続に詳しい専門家を選ぶ
それぞれの専門家の取扱分野が分かったとして、専門家であればどのような専門家であっても相続についての依頼に適しているわけでありません。
弁護士の業務分野には、相続以外にも、企業法務や債務整理、交通事故などの分野があるわけですが、すべての弁護士が相続の分野に詳しいわけではありません。
また、税務には、相続税以外にも法人税や所得税などの分野があり、それらを中心に扱っているため、相続税はあまり詳しくないという税理士もいます。
医者と同じく、専門家の中にもそれぞれが得意とする分野がある場合がありますので、普段から相続の案件を多く扱っている専門家に依頼をすべきです。
相続に詳しい専門家であるかどうかは、事務所で多くの相続案件を扱っているかをホームページで確認したり、相談の際に確認したりするのがよいでしょう。
3 できれば複数の相続分野に詳しい専門家が望ましい
相続手続きには、上で説明したとおり、さまざまな専門家が関与するのですが、できれば複数の相続分野に詳しい専門家に依頼するのが望ましいといえます。
なぜなら、法務の観点からは何の問題もない手続きであっても、税務の観点からは問題があるという場合もあるからです。
依頼をする側にとっても、それぞれの専門家に対して、事情を一から説明するのは大変かと思います。
専門家の中には、弁護士と税理士の両方の資格を持っていたり、不動産の登記手続きも取り扱っていたりする者もおりますし、専門家同士が連携している事務所もありますので、そのようなところに依頼するのが望ましいです。
相続について専門家に相談した方がよいケース
1 どんなケースでもまずは相談を
相続手続きの中には、期限があるものがあり、その期限を過ぎてしまうと、重いペナルティを課せられる手続きが複数存在します。
そのため、相続に関しては、どのような悩みでも、まずは専門家にご相談された方が安心です。
中には無料相談を実施している事務所もありますので、それを利用して相談するのもよいかと思います。
専門家に相談し、期限が差し迫っていないか、急いで手続きを行う必要がないかをしっかり確認されることをおすすめします。
2 特に相談した方が良いケース
次に、相続に関して、特に相談した方が良いケースについて、3つご紹介します。
これらのケースに該当する場合には、なるべく早めに専門家にご相談ください。
⑴ 相続税がかかる場合
遺産の額が一定の基準額を超えると、10か月以内に相続税の申告をする必要があります。
万が一、この10か月の期限を過ぎてしまうと、税務調査に入られたり、延滞税や無申告加算税といったペナルティを課せられたりする場合がありますので、注意が必要です。
⑵ プラスの財産よりも借金の方が多い場合
次に、遺産について、プラスの財産額よりも借金が多い場合、3か月以内であれば、相続放棄を行うことで、借金を背負わなくすることができます。
万が一、この3か月の期限を過ぎてしまうと、相続放棄ができなくなり、遺産に多額の借金があった場合には、その借金を背負うことになる可能性がありますので、注意が必要です。
⑶ 遺留分を請求する場合
遺言書がある場合、その内容に不服があるときには、最短1年以内であれば、遺留分の請求を行うことができます。
そもそも、遺留分とは、相続人に認められた最低限度の権利のことをいい、基本的に遺言書で何も相続しなかった場合であっても、遺留分相当額は、金銭を受け取ることが可能になります。
もっとも、この遺留分の権利も、1年間の期限を過ぎてしまうと、請求しても認められない可能性があり、その結果、遺産からは何も取得できなくなる場合もありますので、注意が必要です。
3 相続に関する無料相談
このように、相続に関しては、まずは専門家に相談された方が良いケースが多く、特に相続税がかかる場合や遺産について借金の方が多い場合等は、すぐに相談されることをおすすめします。
私たちは、相続のお悩みについて、原則無料でご相談をお受けしています。
相続を得意とする弁護士や税理士が連携できる体制も整えておりますので、相続にお悩みの方や手続きに不安をお持ちの方、そもそも相続についてどこから手を付けてよいのかさえ分からないという方も含めて、お気軽にご相談ください。
相続の生前対策を検討している方へ
1 遺言書の作成について
⑴ 自分の意思を相続の内容に反映できる
相続の生前対策で最も一般的なのは、遺言書の作成です。
遺言書を作成していなければ、相続人の間で遺産分割協議をして相続の内容を決めることになり、ご自分の意思を相続の内容に反映することができません。
相続の対策をする方にとっては、遺言書を作成することで、自分が思ったとおりの相続の内容にすることが可能になります。
⑵ 相続手続きを円滑に進めることができる
遺言書があれば、財産を引き継ぐ人は、その遺言書を用いて、不動産の名義変更や預貯金の解約手続きなどを進めることができ、相続手続きを円滑に進めることができます。
仮に、遺言書が作成されていないと、相続人同士でどのように分割をするのかを決めなければなりませんし、仮に、相続人同士の仲が良くとも、一部に行方が分からない相続人や、病気や事故、認知症などで意思表示をすることができない相続人がいる場合には、遺産分割についての話合いができなくなってしまいます。
⑶ 遺言を作成する際の注意点
遺言書を作成することは、大きなメリットがあるのですが、どのような遺言書が作成されていてもよいというわけではありません。
遺言書が、法律上、有効となるための要件を満たしていることはもちろんですが、トラブルの原因にならない内容の遺言書にするためにはどのようにすればよいのか、手続きがスムーズに進められるような内容になっているのかなどに注意をしながら作成する必要があります。
例えば、一部の相続人に認められている遺留分についての配慮が十分にされていない遺言書を作成してしまうと、相続人間で揉めてしまい、本人や残された者たちの双方にとって望むような結果にならないおそれがあります。
遺言書を作成するうえでは、どのような方式で作成するのかといったことや、予備的な条項などの万が一の条項を設けることも大事ですが、何よりも相続での争いにつながらないことが重要です。
そのためには、相続についての知識や経験を多く持っていることが必要ですし、さまざまな考慮をする必要もありますので、弁護士などの専門家に相談をされてから対策を進めていくことがおすすめです。
2 相続税の対策について
相続の生前対策において、遺言書と並んで重要なのは相続税の対策です。
相続税の対策をする場合、まずは本人に相続税がかかるほどの財産があるのかどうか、相続税がかかるとしていくらぐらいの税金がかかるのかを把握する必要があります。
「相続税の対策」というと、いかに税金を少なくするのかという節税のイメージがあるかもしれませんが、実際にはそれ以外のもっといろいろなことを考える必要があります。
例えば、節税以外に、それぞれの相続人や財産を引き継ぐ者にかかる相続税をどのように納付するのかを考慮する「納付対策」もしっかり考える必要があります。
つまり、現在の遺言書の内容による分割方法だと、それぞれの相続人にいくら税金がかかるかを試算したうえで、それぞれの相続人がその相続税をどのように支払えるようにするのかの原資を考える必要があるのです。
具体例として、家を継ぐ長男にすべての不動産を相続させ、他の兄弟姉妹には預貯金を相続させており、長男には預貯金を相続させなかった場合には、長男は自分の財産から相続税を支払う必要があることになります。
このようなケースについての対処方法として、長男を受取人とする生命保険に加入するという方法があります。
こうしておくと、本人が亡くなった後、長男は死亡保険金を受け取ることができ、これを相続税の納付に充てることができます。
さらに、このような方法を採ることには別のメリットもあります。
死亡保険金もみなし相続財産として相続税の課税対象となるのですが、相続人一人あたり500万円の非課税枠がありますので、支払われた保険料分の節税対策につながるという面です。
このように、生前の相続税対策をするときにはさまざまな考慮をする必要がありますので、税理士などの専門家に相談をしながらしっかりと対策を進めていくことが大切です。
相続の相談から解決までにかかる時間
1 ご生前の遺言相談の場合
遺言書作成の場合、相続人の人数が多くなく、資産の額や記載する内容も少なく、ごく簡単な内容の場合であれば、自筆証書遺言をご相談の場で作成することもあります。
このような場合は、即日、解決に至ります。
公正証書遺言で作成した方が良い場合は、公証役場に連絡し、公証人の予定を確認する必要があります。
公証人の予定次第にはなりますが、目安としては、1か月程度で作成完了となります。
当法人の遺言の業務内容については、こちらのページをご覧ください。
2 ご逝去後の相談の場合
⑴ 相続人の調査及び相続財産調査
遺言が残されていない場合は、相続人全員で財産の分け方を話し合うことになります。
その場合、まずは相続人の調査と相続財産の調査を行います。
相続人の調査では、被相続人が生まれてから亡くなるまでのすべての戸籍謄本を集めます。
被相続人の戸籍を収集するには、住民票等で本籍地を調査し、市役所等で戸籍請求をする必要があります。
それと並行して行う相続財産の調査では、被相続人の保有している各金融機関の口座履歴や残高証明書、保険の有無、不動産の有無、株式の有無等を調べます。
これらの調査を完了するまでの期間としては、ご相談から1~3か月ほどかかることが一般的です。
⑵ 遺産分割協議
調査が完了したら、遺産分割協議を行います。
遺産分割協議は、相続人間での話し合いになりますので、全員の合意が得られるのであれば、即日で終わることもあります。
一方で、話し合いがスムーズに進まないような場合は、数か月以上かかることもあります。
⑶ 遺産分割調停
協議で終わらなかった場合、裁判所に遺産分割調停を申し立てることになります。
遺産分割調停も、裁判所で行う話し合いですので、相続人の合意が得られればすぐ終わりますが、合意が得られなければ、1年以上かかることもあります。
⑷ 遺産分割審判
調停でも決着がつかなかった場合、審判によって裁判所が強制的に結論を出します。
この手続に移行する場合は、その前提として調停が行われておりますので、調停と審判を合わせると3年以上解決までに時間がかかることもあります。
各専門家同士が協力できることの強み
1 相続は法律と税金の両方の視点が大切
弁護士や税理士といった異なる分野の専門家が協力できる体制ができていることは、相談者の方にとっては非常に大きなメリットになるのですが、このことは相続の分野において顕著です。
なぜなら、相続においては、“法律だけ”あるいは“税金だけ”が問題になるということは少なく、両方の視点から適切な対応をしていく必要があるからです。
法律だけからの視点、税金だけからの視点で進めてしまうと、かえって中途半端な対応となってしまうおそれがあります。
以下では、各専門家同士がどのような場面でどのような連携がされているのかを説明します。
なお、中には弁護士と税理士の両方の資格を持ち、相続についての知識を多く持っている専門家もいます。
2 生前対策で相続の内容を検討する場面
⑴ 適切な内容の遺言書を作成する
生前から相続についての対策をしておくことは、効果も非常に大きいので、重要です。
生前の相続対策で重要な遺言書を例にとると、法的に有効な遺言書を作成すること自体はそれほど問題になることはありません。
しかし、相続手続きがスムーズに進む内容であるのか、相続人の間で揉めない内容であるのか、万が一の事態にも対応できる内容なのか、財産を受け取る側に負担がかからないものとなっているのかといった点に十分に対応できている内容を作成するためには、法律の知識のある弁護士に相談することが必要です。
⑵ 相続税のことを考慮する
さらにここで、相続の内容を考えるときには相続税に関する配慮をすることも不可欠ですが、全ての弁護士が相続税の知識を持っているとは限りません。
そのため、相続税に関しては、これについての知識を有する税理士と連携して相続の内容を考えていく必要があります。
他方で、税理士にのみ相続の内容を相談すると、相続税のことを考慮した内容の遺言書を作成することはできるでしょうが、弁護士が検討するような内容の遺言書を作成することはできないかと思います。
そのため、十分な専門的知識をもとにして相続の内容を検討するためには、法律と税金の両面から行う必要があり、弁護士と税理士が連携することが重要になります。
3 遺産分割における専門家の連携
相続開始後に遺産分割をする必要がある場合にも、弁護士と税理士が連携して対応することに大きなメリットがあります。
実は、遺産分割の内容によって、相続税で使用できる特例が違っていたり、その効果も異なったりしますので、遺産分割の中身によって相続税の内容が大きく異なることがあります。
また、相続税の申告と納付には期限がありますので、申告の期限や支払わなければならない税額も考えながら、遺産分割を進めていく必要があります。
このような進め方をするためには、弁護士と税理士が連携をとりながら対応していく必要があります。
相続の無料相談をお考えの方へ
1 早めの相談を
「弁護士や医者への相談はなるべく早い方がよい」といわれます。
このようにいわれるのは、法的な問題や健康の問題が生じたときには、その問題が大きくなる前に、早めに専門家に相談しておく方が、結果的に問題を解決するまでの手間が小さくなるといえるからです。
そのため、法的な問題については、問題が深刻になる前に、早めに専門家にご相談されるのがよいとされているのです。
「法的な問題も、具体的な問題が生じる前に相談して、予防しておくことが良い結果につながる」ことは、「病気に対して、日頃から健康に気を付けて、正確な知識をもとに対策しておく方がよい」ということと同じだといえます。
いずれ発生する相続への対策をなるべく早めにしておいた方が、将来の紛争を防げるというだけでなく、紛争とならないにしても、将来の相続手続きが楽になったり、相続税の支払いが楽になったりということがあります。
場合によっては、専門家に相談することで、相談者ご本人も認識していなかった問題点が見つかることもあるかもしれません。
相続については、早めに専門家に相談されることをおすすめいたします。
2 無料相談の活用を
相談者の方が相続についての相談を気軽にできるようにと、最近は無料相談を実施している法律事務所や税務事務所が出てきました。
相続のご相談といっても、相談内容は様々ですので、まずは、相談内容によって、どの専門家の事務所に相談されるのかを決める必要があります。
遺言書の作成や遺産分割協議など、法的な手続きが関わる事項についてのご相談は、法律の専門家である弁護士などの法律事務所にご相談されるのがよいと考えられます。
他方で、相続税に関するご相談であれば、税金の専門家である税理士の税務事務所にご相談されるのがよいです。
しかし、相続については、法律の問題と税金の問題が切っても切り離せない関係にあることが多く、それぞれを別の専門家に相談されるとちぐはぐな結果になってしまうおそれもあります。
相続に力を入れている事務所の中には、法律と税務の提携をしている事務所や、専門家自身が弁護士と税理士の資格を持っているというところもあり、法務と税務の両方に対応できる事務所・専門家に相談をすることができれば、広い視点から適切なアドバイスをしてもらえるでしょう。
相続の相談は、相続人や相続財産が多かったり、相続人との関係性がややこしかったり等、ご事情が複雑であることが多く、相談に時間がかかることも多いため、たとえば、30分などと無料相談の時間に制限がある事務所よりも、無料相談の時間に制限がない事務所の方が安心です。
各事務所が無料相談を実施しているかどうかは、事務所のホームページなどをご確認いただくのがよいと思います。
相続について弁護士に相談するべきタイミング
1 生前の相続についての相談
⑴ なるべくお早めにご相談ください
生前の相続についての相談というと、遺言書の作成や自らの財産内容の見直しであることが多いといえます。
ただ、これらの相談と併せて、自らが高齢になって財産管理が十分にできなくなったときや認知症になったときに備えておくこと、あるいは亡くなった後の死後事務について備えておくという内容である場合もあります。
こういった内容を弁護士に相談する適切なタイミングについてですが、なるべく早くにご相談いただきたいというのが弁護士としての本音です。
⑵ 遺言書の作成
遺言書の作成といった場合にも、相談者の方が病気や事故でいつ亡くなってしまうかは分かりませんし、遺言書を書くことができないという状態になってしまう可能性も否定できません。
遺言書を作成しようと思ったときには、ご本人の認知機能が低下してしまっており、難しい判断や適切な判断ができない状態になってしまうこともあり得ますし、身体的に自分で字が書けなくなってしまい、自筆証書遺言で遺言書を作成するという選択肢は諦めなければならないというおそれもあります。
「自分はまだまだ元気だから遺言書はいい」という方も多いのですが、遺言書は何度でも書き直すことが可能ですので、上記のようなことを考えますと、なるべく早めにご相談はしていただきたきいと思います。
そして、暫定的なものでもよいので遺言書を作成していただきたいと思います。
⑶ 相続税対策について
相続税についての対策を生前からしておく場合にも、相続税にも詳しい弁護士に、相談自体は早めに行っておいた方がよいといえます。
例えば、生命保険に加入しておくことは、生命保険の非課税枠を有効活用するという意味でも、相続人の納税対策という面でも、とても有効な手段なのですが、対策が遅れてしまうと、加入できる年齢を超えてしまったり、重篤な病気となってしまい加入できる生命保険がなかったりするおそれがあります。
保険に加入する際も、どのようなタイプの保険に加入するのが適切なのかはその方の状況によってそれぞれですし、その方に状況の変化があれば見直すこともできますので、なるべく早めに相談をしておいた方がよいと思います。
生命保険以外の部分でも、相続税への対策をしようとする場合には、時間がある程度かかったり、時間的な余裕がある方が効果が高かったりということもあります。
そのため、相続税の対策をしておくという意味でも、早めに相談をしておかれるのがよいと思います。
このように、遺言書の作成や相続税対策に限らず、生前の相続対策のための弁護士へのご相談はなるべく早めに行っていただきたいと思います。
2 相続開始後の相談
⑴ もめる前に相談を
被相続人が亡くなった後、弁護士に相談をするタイミングで考慮しなければならないのは、「もめる前に相談をする」という視点です。
弁護士への相談をするタイミングは、一般的な意識ですと、「相続でもめてしまったから弁護士に相談しよう」ということだと思います。
ですが、もめる前に、もめないように相談をしておくという視点が非常に重要です。
なぜなら、相続というのは人が人生でそれほど経験するものではなく、みなさまが十分な知識を持っておられるわけではないため、誤った認識で相続の手続きを進めてしまった結果、相続人間で争いになってしまうことがあるからです。
相談者の方からよく伺うのは、「自分の周りの人から、普通はこのように進めるものだと聞いた」とか、「自分の周りの人は、このように進めて、こういう結果になった」といったお話なのですが、それらは法的な視点からみると一般的な話ではなかったり、相続に関わる状況はそれぞれですので、他の個別のケースが相談者の方には当てはまらなかったりすることが往々にあります。
⑵ もめてしまうケース
例えば、亡くなった方が遺言書を残してくださっており、遺言書の内容どおりに手続きを進めるだけであっても、その手続きの進め方の一部だけが法的に正しいものでなかっただけの理由でもめてしまうこともあります。
そのため、遺産分割協議でもめることが想定されている場合だけでなく、もめないだろうと考えられる場合にも、早い段階から弁護士に相談しておかれることをおすすめします。
⑶ 弁護士が対応できること
例えば遺産分割協議でいうと、弁護士は、遺産分割協議の手順、必要な書類の集め方、どのように他の相続人と話合いを進めていけばよいのかなどをアドバイスし、なるべくもめないための注意点をお伝えすることになります。
相続人の一部と連絡がつかない場合や、当事者同士で話合いで解決することが難しい状況にあるのであれば、相続手続きをそのまま放置するのは望ましくないため、お早めに弁護士にご相談をしていただきたいと思います。
相続で困った場合の相談先について
1 弁護士
⑴ 相続の法的な相談に対応できます
弁護士は、法的な手続きのすべてを扱うことができる専門職ですので、相続の法的な相談のほぼすべてに対応することができます。
弁護士というと、「相続でもめたときに依頼する専門職」というイメージがあるかもしれませんが、「相続でもめないために依頼する専門職」という面もあることを知っていただきたいと思います。
⑵ 遺言書作成
例えば、生前に遺言書を作成されるにあたって、相続でもめないために遺言書を作成したいという方も多いでしょう。
このようなケースでもっとも適切な相談先は弁護士であるといえます。
なぜなら、弁護士は相続でもめた案件を多く経験していますので、どのような遺言書がもめてしまうのか、どのような遺言書であればもめないようにできるのかについて、多くの知識と経験を有しているからです。
⑶ 遺産分割協議
遺産分割協議においても、当事者だけで協議をすることにして、相続に関する誤った知識や認識を持って協議を進めてしまうと、そのことが相続人間でのトラブルにつながりかねません。
遺産分割協議でもめることが明らかでない場合であっても、初期から専門家に入ってもらって、適切で正確なアドバイスを受けながら協議を進めることには大きなメリットがあるといえます。
2 税理士
相続税に関する相談は、税金の専門家である税理士にすべきです。
亡くなった方の相続において相続税の申告が必要かどうかを調べることや、申告が必要だった場合に手続きをしてもらうためには、税理士に必要な資料を持参して、相談することになります。
相続に関する税理士の相談は、亡くなった後に限らず、生前からする場合もあります。
相続税の生前対策として、どのような対策が有効かを税理士に相談することや、相続税がいくらかかるかを予め調べておいたり、相続税をどのように支払うか等を準備しておいたりするうえで、税理士に相談してアドバイスを受けておくとよいです。
3 司法書士
司法書士は、不動産の登記手続きをすることができます。
相続財産の中に不動産が含まれている場合には、司法書士に依頼することで不動産の名義変更手続きをしてもらうことができます。
4 相談先の選び方
上記のように、相続においては複数の専門家が関与することになります。
しかし、相談をされる方にとっては、複数の専門家の事務所に出向かなければならないというのは負担が大きいことかと思いますし、何を誰に相談すべきか迷うこともあるかと思います。
弁護士と税理士の両方の資格を持っている専門家に依頼をすれば、法務と税務を別の専門家に依頼する必要はなくなります。
少なくとも、法務と税務がしっかりと連携できている事務所にご相談されることをおすすめいたします。
相続について専門家に相談する際の流れ
1 相談内容を確認する
相続は人生で何度も関わることではないため、知識のある専門家に任せたいと考える方も多いのではないでしょうか。
相談をする際は、相談内容を整理しておくとよいかと思います。
というのも、相続の分野にはさまざまな専門家が関わりますので、どのような相談内容なのかを確認して、どの専門家に相談するかを検討する必要があるのです。
例えば、相続財産の不動産の名義変更手続きについては司法書士の職務分野ですし、相続税に関する相談であれば税理士の職務分野です。
生前に相続において紛争を確実に防ぎたいと考えるのであれば、弁護士に遺言書の作成を依頼するのがよいです。
もちろん、自分の相談内容が明確ではないという方もいらっしゃるでしょうから、その場合には、税理士や弁護士などの複数の専門家が所属している事務所や、複数の資格を持っている専門家に相談されることをおすすめします。
2 事務所に連絡をして相談の予約をする
相談内容と相談すべき専門家が決まったら、相談したい専門家が所属する事務所に連絡をして、相談の予約をお取りください。
相談の予約をする際に、相談に持参してほしい資料や持ち物を案内される場合が多いようです。
最近は、電話での相談に応じる事務所も増えてきていますので、事務所に出向いての相談が難しい場合には、電話相談に応じている事務所を選ぶのもよいかと思います。
ただし、相続に関する相談は資料を確認しながらでないと精確なアドバイスが難しい面がありますので、内容によっては電話相談だけで進めるのが困難な場合があります。
3 依頼する内容を決める
専門家と相談をして、どのような内容を依頼するのかを決めます。
依頼する内容を選択するにあたっては、専門家にどのように手続きを処理してもらえるのか、その場合に必要な期間や費用はいくらくらいなのかをしっかりと説明してもらい、それを判断材料とするとよいかと思います。
単なる相続手続きだけであればよいですが、相続人の一人として、専門家に遺産分割協議の代理人として活動してもらう場合などは、どのような戦略で進めるのかなどの細かい事項についても詰めておくことが必要です。
また、依頼内容が複数の専門家の職務分野にわたる場合には、複数の資格を持つ専門家に依頼するか、少なくとも、同じ事務所内に複数の専門家がいる事務所を選んだ方がワンストップで手続きを進められるため非常に便利です。
相続に強い専門家に依頼するメリット
1 生前対策におけるメリット
相続について専門家に依頼するメリットは多くあります。
まずは、生前対策においてのメリットをご説明いたします。
⑴ 遺言書作成
遺言書の作成を専門家に依頼するメリットは、法的に有効なだけでなく、依頼者に合わせた内容の遺言書を作成できるということです。
インターネットで多くの情報を入手できる今の時代においては、法的に有効な遺言書というだけであれば、専門家に依頼をせずともご自身で作成することもできるでしょう。
しかし、その遺言書で相続における紛争を回避することができるか、遺言者が想定していなかった事態に対応することができるか、相続が発生した後にスムーズに相続手続きを進めることができるかについては問題がある可能性があります。
このようなケースに対応するためには、専門家の中でも相続に強い専門家にご依頼ください。
特に、相続を円満に進めたいというご要望がある場合には、相続案件を多く扱っている弁護士に依頼することをおすすめします。
なぜなら、そのような弁護士であれば、残念ながら紛争となってしまった相続案件も多く扱っており、遺言書でどのような手段をとっていれば紛争を防ぐことができたのかについての知見もあるといえるからです。
⑵ 相続税対策
その他の相続に強い専門家に依頼するメリットとして、相続税についての対策も依頼できるということがあります。
相続財産が一定の額以上であれば、相続税を申告・納付する必要があります。
このような方については、相続税の額をおさえることや、相続税を支払いやすくする対策をとっておくべきだといえます。
この対策として、どのような手段をとることができるのか、それぞれの方にとってどの方法をとることがベストであるのかは、ご事情によってさまざまです。
そのため、相続に強い専門家、例えば、相続税を多く扱っている税理士に相続対策を依頼することも検討すべきだともいえます。
相続案件を多く扱っている弁護士兼税理士がいれば、このような対策をワンストップで依頼することも可能かと思います。
2 相続発生後におけるメリット
相続が発生した後に、専門家に依頼をするというケースも多いです。
専門家に依頼をするケースとしては、相続が紛争になってしまったり、相続財産が非常に多かったりという場合を想定されるかと思いますが、実は専門家に依頼されるのは、このようなケースだけではありません。
というのも、相続というのは、人生で多く経験するものではないため、相続でどのような手続きが必要となるのかについて知識を持っている方というのはあまり多くないからです。
大半の方は、どのような手続きが必要か、どのような書類が必要かなどを調べることから始めるのではないでしょうか。
こういった専門的な情報を一から調べることは、普段、忙しくお仕事をされている方にとって負担になる場合も多くあります。
そのため、時間的な負担のかかる相続手続きを専門家に依頼してしまう方も多くいらっしゃいます。
もちろん、相続に強い専門家であれば、必要な相続手続きを迅速に対応してもらえますし、手続きに漏れがないようにしてもらえます。
相続手続きにおいては、相続放棄や相続税の申告、相続登記など、期限のある手続きもあります。
そのため、まずはなるべく早めに相続について相談をし、そのうえで、ご依頼をされるかをご検討ください。
不動産の評価に強い専門家に相談したほうがよい理由
1 相続で不動産の評価が問題になる理由
相続財産に不動産が含まれていれば、不動産の評価に強い専門家に相談した方がよいでしょう。
こちらの記事では、なぜ相続において、不動産の評価が必要になるのかについて、説明していきたいと思います。
まずは、遺産分割協議を例にとって説明します。
例えば、亡くなった方の相続財産に自宅が含まれているとします。
この場合、相続人が不動産を法定相続分で共有取得するということであれば、話は簡単で、不動産の評価をする必要もないでしょう。
しかし、自宅には、相続人の一人が被相続人と同居しており、引き続き自宅に住み続けたいという意向を持っているケースも多いでしょう。
その場合には、他の相続人からすると自宅を共有で取得しても仕方がありませんし、自宅に住み続ける相続人にとっても、その自宅を自ら取得したいと考えるのが通常だと思います。
その場合には、その不動産がいくらの価値を持っているのかを評価する必要があるのです。
そして、この評価額が相続の結論に大きく影響します。
例えば、相続人が子ども2人であったときに、一人が不動産を取得し、もう一人に対して金銭(代償金)を支払うとします。
不動産が3000万円と評価されれば、その金額を相続人の人数(2)で割った代償金額1500万円を支払うことになりますし、不動産が4000万円と評価されれば、代償金額2000万円を支払うことになります。
このように、不動産の評価が相続の結論に大きく影響することになるのです。
2 不動産の評価が難しい理由
このように、不動産の評価が相続の結論に大きく影響するのですが、この不動産の評価は簡単なものではありません。
実は、不動産の評価額には複数の価額があるため、その評価方法にも複数の方法があるのです。
不動産の評価額としては、固定資産評価額や相続税評価額、公示価格といった価額があります。
固定資産税評価額は、市町村が固定資産税等を課税する際に、対象の不動産を評価した価額です。
この価額は、毎年、市町村から送られてくる固定資産税の納税通知書に記載されていますし、これがなければ、市町村に名寄帳や固定資産評価証明書を発行してもらうことで確認することができます。
参考リンク:総務省・固定資産税の概要(固定資産税評価額等)
相続税評価額は、相続税等の申告において、不動産の評価額として採用される評価額です。
相続税等において不動産を評価する場合には、財産評価基本通達という国の通達によって、その評価方法が決められています。
一律の評価方法が定められている理由としては、このように一定の評価方法を採用してしないと、明確な基準がなければ納税額があいまいになり、一律のものがなければ納税者間での不平等を生じるからでしょう。
この基準によると、土地は路線価区域と非路線価区域によって評価方法が異なります。
路線価区域の土地については、毎年、国税庁から発表される路線価をもとにして、各土地の所在や形状等による必要な修正を施した上で評価されることになっています。
非路線価区域の土地については、固定資産税評価額を基準として評価されることになっています。
家屋については、固定資産税評価額によることになっています。
上記のとおり、固定資産税評価額は、資料を確認すれば、簡単に把握することができますが、相続税評価額は、それぞれの土地の評価をより精密にする必要があります。
相続税に詳しい税理士や不動産評価に詳しい弁護士などの専門家であれば、これらの評価を正確にすることができますが、すべての専門家がこれを正確にできるとは限りません。
参考リンク:国税庁・土地家屋の評価(相続税評価額等)
公示価格というのは、国土交通省が公示している土地の価格のことですが、標準地に選ばれた土地の価格を示したものであって、必ずしも、これから相続財産となっている各土地の評価額が導けるものではありません。
参考リンク:国土交通省・地価公示(公示価格等)
さらに、実勢価格(時価)という価額もあり、これは実際に取引されている価格のことです。
実は、相続において裁判となった場合に、不動産の評価額として採用されるのは実勢価格(時価)になります。
しかし、この実勢価格を評価することは容易ではありません。
不動産の評価方法には、原価法、取引事例比較法、収益還元法という3つの方法があります。
原価法とは、対象不動産の再調達原価をもとに評価する方法です。
取引事例比較法とは、対象不動産と条件が近い取引事例を収集した上で、いくつかの適切な事例を選択し、それぞれの事例から必要に応じて対象物件の事情による補正や、時点による修正を加えた上で、対象物件の評価をしていく方法です。
収益還元法とは、対象不動産が将来生み出すと予想される収益を計算し、これをもとにして現在の価値を評価していく方法で、その中でも、直接還元法やDCF法といった手法があります。
これらの方法のうち、対象不動産の評価方法として、どの方法によるのが適切かということを判断する必要があります。
さらに、対象不動産について、周辺の道路の状況、行政的な規制の有無や内容、災害の危険の度合いなど、それぞれの土地に応じて、これらの諸要素を勘案した上で、不動産を評価していくことになります。
このように、不動産本来の価値である実勢価格を把握しようとすれば、詳細な調査と高度な専門的知識が要求されることになり、裁判においては、不動産鑑定士がこの評価をすることになります。
ただし、不動産鑑定士に評価を依頼した場合には、高額な依頼料が発生することになります。
そのため、実務上は、不動産業者に査定をしてもらい、大まかな時価を査定してもらうということも多く行われています。
このように、不動産の評価は、非常に専門的で難しく、相続案件において適切に対応していこうとすれば、これらに関する正確な知識を有している必要があります。
そのため、相続に関する事案の依頼をする場合には、不動産の評価に強い専門家に依頼する必要があるのです。
3 不動産の評価が問題になる事例
不動産の評価が問題になる場合は、上記のとおり、遺産分割協議で揉めている場合だけではありません。
生前対策において遺言書を作成するときに、遺留分にも配慮した内容としようと思えば、不動産がどのような評価額になるのかを正確に把握しておく必要があります。
相続税の対策をする場合にも、不動産がいくらの評価額となり、相続税の対策が必要となるかどうか、必要であった場合には、現在の財産状況からすると相続税がいくらになる見込みであるか、どのような対策をとっていけばよいのかなどは、不動産を正確に評価することが前提になります。
このように、相続においては、不動産の評価が問題になる場合が多いため、不動産の評価に強い専門家に依頼する必要があるといえるのです。
相続はどのような場合に発生するのでしょうか
1 相続は死亡を原因として発生する
民法では、「相続は人の死亡を原因として開始する」とされています。
戦前は、「家督を長男に相続させて隠居しよう」と言えば、生前に相続を開始することができましたが、現在は、死亡した場合にのみ相続が開始するとされています。
しかし、中には、人が亡くなったかどうかが明らかではないケースもあります。
このような例外的なケースでは、「人の死亡を原因として開始する」とされている相続を行うことが難しくなるため、いくつかの制度が設けられています。
以下では、どのようにして相続が発生することになるのかについて、関係するいくつかの制度を説明したいと思います。
2 失踪宣告
ある人が行方不明になり、生死が分からなくなった場合、生死不明が長期間続くと、その人の財産を処分することができないなど、色々と困った問題が生じます。
そこで、民法では、生死不明の状態が長期間続いた場合は、家庭裁判所の審判により、その人が死亡したものとみなすという規定を置いています。
参考リンク:裁判所・失踪宣告
その人が死亡したものとみなされることにより、相続を開始することができます。
具体的には、次の2つがあります。
⑴ 普通失踪
不在者の生死が7年間明らかでないとき、家庭裁判所は、利害関係人の申立てにより、失踪の宣告をすることができます。
この場合は、公示催告(家庭裁判所の掲示板に、申立人の氏名および住所、不在者の氏名、住所および生年月日などを掲示すること)の手続きを踏む必要があります。
⑵ 危難失踪
ある人が、遭難したり、天変地異に見舞われたりなどした場合で、その人の生死が1年間明らかでないときは、家庭裁判所は、利害関係人の申立てにより、失踪の宣告をすることができます。
この場合も、公示催告の手続きを踏む必要があります。
3 認定死亡
水難、火災などにより、死体は見つからないが周囲の状況から死亡したことが確実である場合には、その人は戸籍上死亡したものと認定されます。
認定死亡は、死亡したことが確実である場合にすることができます。
死亡認定された人は、戸籍記載の死亡の日に死亡したものと推定されます。
これにより、相続手続きを進めることができるようになります。
遺言についてお悩みの方はご相談ください
1 自分が亡くなった後のことをお考えの方へ
人は例外なく必ず亡くなるものです。
だからこそ、自分が亡くなった後のことについて考え、備えることは必要です。
そして、そのために、生きているうちにできることはいろいろありますが、その方法の1つとして遺言を残すことがあります。
遺言を作成することで、自分の財産を誰にどれだけ残すのかあらかじめ決めておいたり、そのための手続きを誰に行ってもらうか(遺言執行者)を決めておくことで、自分が亡くなった後で残される家族間で争いが生じないように備え、手続きをスムーズにすることができます。
2 遺言作成は専門家にご相談を
遺言を作成しておこうと考えても、まずどのようにすればいいか悩む方も多いのではないでしょうか。
遺言は、基本的には専門家に依頼せずに自分で作成することができます。
しかしながら、自筆証書遺言であれば、全文(財産目録を除く)、日付及び氏名を自書しなければならず、また押印が必要など、厳格な様式が定められており、何か1つでも法律に定める方法から外れていた場合には、無効となる可能性があります。
そして、無効となってしまうと、せっかく残される家族のために準備した遺言が家族間での紛争の火種となる場合があります。
そのような事態を避けるためにも遺言作成のノウハウのある弁護士等の専門家に自分の死後についての希望を伝え、作成に助力を得ることが重要となります。
また、遺言書作成の段階から弁護士に依頼しておくことで、自分の死後の希望が将来家族間で問題を生じさせないか、生じる場合、どのようにすれば、避けられるかなどの法的なアドバイスを受けることができます。
このように遺言書の実質的な内容面を充実させるためにも弁護士に作成段階から助言をもらうことは重要です。
3 まずはご相談ください
遺言の作成について相談する場合、弁護士の職域は広く、遺言作成の経験がない弁護士も一定数おり、そのような弁護士に依頼をしても、上記のようなメリットの多くを受けることはできない場合があります。
遺言についてのご相談をする場合は、相続分野の経験豊富な弁護士に依頼することが重要です。
私たちは相続分野に力を入れており、これまで多くの遺言書作成の案件に関わってきました。
きっと、遺言について悩む皆さんのお力になれると思います。
遺言についてお考えの方は一度ご相談ください。
相続に関する様々な情報
相続に関連する様々な情報を掲載しております。相続でお悩みの方や相続の相談をお考えの方は、参考にしていただければと思います。
太田川駅から東海オフィスへのアクセスについて
1 南改札口から出てください
電車を降りたら、南改札口を出て右に曲がり、西出口方面に向かってください。
2 西出口を出て左へ
西出口を出たら左に曲がり、直進してください。
東海市芸術劇場を右手にまっすぐ進むと、当オフィスの看板が見えます。
自動ドアがありますので、そちらから中へお入りください。