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遺産分割調停・審判の流れ

  • 文責:所長 弁護士 長谷川睦
  • 最終更新日:2024年9月12日

1 遺産分割調停と審判手続きをする場合

遺産分割協議によって分割内容が決まらない場合には、遺産分割調停か審判の手続きをすることになります

遺産分割調停は、裁判所で相続人が遺産分割の協議をする手続きのことです。

遺産分割審判は、調停でも協議が調わなかったときに、裁判所が分割内容を決める手続きのことです。

つまり、まずは遺産分割調停を行い、それでも決着がつかなかった場合は遺産分割審判を行うという流れになります。

2 申立てに必要な書類を揃える

遺産分割調停・審判を申し立てるためには、必要な書類を準備しなければなりません。

まずは、相続人全員を当事者にする必要がありますので、相続人の確定に必要な戸籍を準備します。

被相続人の出生から死亡までの戸籍に加えて、相続人それぞれの現在の戸籍などが必要となります。

また、分割の対象となる相続財産の内容に関係する書類も準備する必要があります

相続財産が不動産であれば、登記簿謄本などの不動産の内容が分かる書類と、不動産の価値が分かる固定資産評価証明書を準備します。

預貯金であれば、金融機関や支店名、口座種別や番号、直近の残高が分かる資料として、通帳の写しや残高証明書が必要となります。

その他にも、相続財産の内容に応じた資料が必要です。

以上の書類を準備した上で、遺産分割調停・審判の申立書やこれまでの協議状況などを記載した書面を作成し、申立てをします。

3 遺産分割調停・審判期日の流れ

遺産分割調停では、裁判所の調停委員会が申立人側・相手方側それぞれの考え方を聞いた上で、遺産分割の内容が決まるように当事者の調整をします

まずは、相続人と相続財産の範囲に争いがないことを確認した上で、寄与分や特別受益などの具体的相続分についての主張の有無・内容、相続財産をどのように分割するのかを検討していきます。

なお、寄与分について詳しくはこちらをご覧ください。

調停では、当事者それぞれの希望を調整して、柔軟な分割方法を決めることができます。

しかし、それでも当事者の協議がまとまらなかった場合には審判手続きに移行し、裁判所が、法律に従って遺産分割の内容を決めることになります

審判手続きでは、裁判所が強制的に遺産の分け方を決めることとなるため、当事者となる相続人にとって希望どおりの分割方法になるとは限りません。

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